大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(あ)3001 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人加藤定蔵の上告趣意第一点は原判決に憲法三一条、三二条の違反があると

主張するが、刑法二七条に「刑ノ言渡ハ其効カヲ失フ」とあるは、刑の言渡に基づ

く法的効果が将来に向つて消滅するという趣旨であつて、刑の言渡を受けたという

既往の事実そのものまで全くなくなるという意味でないことは、所論引用の当小法

廷の判例の示すとおりである。そして被告人が所論の刑に処せられたという事実、

その他被告人の経歴、性格、境遇、犯罪の情状、犯行後の情況などを考察、参酌し

て被告人に適切妥当な刑罰を量定することは当然であつて、それが憲法三一条、三

二条に違反しないものであることは、当裁判所大法廷判例(昭和二三年(れ)第四

三五号同年一〇月六日言渡、刑集二巻一二七五頁、昭和二四年(れ)第一四〇四号

同二五年三月一五日言渡、刑集四巻三六六頁)の趣旨に徴し明らかである。それ故、

所論は採用できない。

同第二点は量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和三九年四月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

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